食へのこだわり

食事は健康の基本です。バランスの良い食生活を心掛けましょう。

アルカ管理栄養士の思い

皆さんは日頃から食事を楽しんでいますか?忙しい現代では、手軽な食品も増え、食事を簡単に済ませることが多くなってしまうかもしれません。しかし人が健康に生きるために“食事”は切り離せない大切なものです。だからこそ健康に気を使いながらも、きちんと食事を楽しみたい。その思いを持って、アルカ管理栄養士は、患者様の美味しく健康的な生活を栄養の面からサポートしていきます。

春を楽しむ 2019.03 / vol.7

春を迎えて、桜が咲き、このぽかぽかの陽気につい、うたた寝にさそわれてしまいそうな季節ですね。春のイベントの定番といえば、やはり「お花見」。天気の良い日には、お弁当を持ってお花見にでかけられる方も多いのではないでしょうか。家族や仲の良い友人、恋人などと、満開の桜の下で食べるお弁当はいつもより美味しく感じるもので、ついつい“花より団子”になってしまいますよね
そこで、今回はお花見の起源とともに、春に旬を迎える食材について、お話したいと思います。

1. 花見のはじまり

花見は日本人が昔から楽しみにしていた春の行事です。奈良時代より以前は花といえば梅や萩などをさしていましたが、中国から遣唐使によって桜が伝わると、平安時代の貴族たちは桜を春の花の代表格として愛し、歌を詠んだり、花見の宴会を開いて楽しんでいました。やがて、鎌倉~室町時代になると、貴族の風習だった花見が武士の間でも行われるようになり、江戸時代には8代目将軍の徳川吉宗が大規模な桜の植樹を行い、庶民の間でも楽しめるようになりました。そして、現在のような『お花見』が春の行楽として全国的に広がっていきました。

2. 花見団子の由来

お花見にかかせないのが、団子です。お花見に団子を食べる風習はいつ頃から、何故はじまったのでしょうか。また、お花見団子といえば3色団子ですよね。この3色団子が3色なのには理由があります。一般的な3色団子は、ピンクの3色で、ピンクは赤しそや桜、くちなしで、はよもぎなどで着色しています。現代では食紅や天然色素で色をつけているものもありますが、昔ながらの和菓子屋さんでは今でも赤しそやくちなし、よもぎを使用しているところが多いそうです。味はもちろん、見た目も鮮やかで、春にぴったりですし、目でも楽しめますよね♪

団子がお花見の時に食べられるようになったきっかけは、江戸時代、貴族の間でお花見が楽しまれていた時に、団子好きだった豊臣秀吉がお茶菓子として三色団子を考案させたといわれています。これをきっかけに、庶民の間でもお花見には三色団子という風習が全国的に広まったそうです。また三色の色が表している意味は諸説あり、季節を表している説や、春を表している説、縁起の良い食べ物という意味を表している説など、さまざまです。

3色団子の色の順番は上から、ピンクで、これ以外の順番の3色団子は見たことがないと思います。この並び順にも意味があると言われており、つぼみから桜が咲く様子を表している説や、早春の大地を表している説があります。

このように、1つの食べ物にも壮大な歴史があり、意味があるので、食べ物の由来などの豆知識を話しながらお花見をするのもいいかもしれません。

次は春に旬を迎える食材として、今回2つの食材についてお話したいと思います。

 

3. 春に旬をむかえる食材

キャベツ

1つ目はキャベツ。キャベツといえば1年を通して出回る野菜ですが、秋から冬に種をまき、早春から初夏にかけて収穫される春キャベツは、球の巻き方がゆるく、葉がやわらかく、中まで緑色をしており、サラダや生食に適しています。キャベツはギリシャ・ローマ時代には“貧乏人のクスリ”と呼ばれていたほど栄養価は高く、特にビタミンC食物繊維が豊富に含まれています。また、ビタミンU(別名キャベジン)も多く、胃の調子を整える効果があります。

≪下ごしらえ・調理のコツ≫

内側の葉はやわらかくて甘いので、生食か甘さを生かしてさっと加熱するくらいでよいでしょう。一方、外側の葉は少し硬いですが、緑が濃くて色鮮やかで煮込み料理に適しています。春キャベツはやわらかいので、手でちぎって調理すると味がしみやすく、ソースなどもからめやすくなります。

 

≪保存方法≫

乾燥を防ぐために、新聞紙やラップに包んで冷蔵庫で保存します。切り口の黒ずみは使用するときにカットしましょう。

≪おいしいキャベツの選び方≫

キャベツを裏返して茎の大きさをチェックして、軸の直径が500円硬貨大程度のものが良品の証です。それ以上のものは育ちすぎのため、葉が硬く、水分も抜けてしまっていることが多いです。同じ大きさなら、重いほうを選ぶとよいでしょう。カットしているものを購入する際は、身がよくしまっていて、芯の高さが3分の2以下のものを選びましょう。

タケノコ

2つ目はタケノコ。4~5月が旬で、タケノコの種類は約70種類ほどありますが、一般的にスーパーなどで売っているのは孟宗竹という種類のものです。孟宗竹はえぐみが少なく、肉厚でやわらかいのが特徴です。春になると、竹の地下茎が地面にでようとして土を盛り上げたくらいで収穫されます。収穫されたタケノコは「朝掘ったら、その日のうちに食べろ」といわれるほど鮮度がすぐに落ちてしまうので、購入後はすぐにゆでる事が、鮮度を保つ秘訣です。切り口に現れる白い粉はチロシンというアミノ酸の1種で、近年では脳を活性化させる成分として注目されています。また、タケノコには食物繊維が豊富で、旨味のもととなるアスパラギン酸グルタミン酸なども多く含まれています。

≪下ごしらえ・調理のコツ≫

購入後はすぐにゆでましょう。タケノコの先端を斜めに切り落として、縦に切れ目を入れ、米のとぎ汁(またはぬかを入れた水)と鷹の爪をいれ、たっぷりの水で約1時間ゆでます。しっかりアクを出すことがタケノコをおいしくするポイントです。ゆであがったら、湯が冷めるまで置き、冷めたら皮をむきます。先端は細かく切って和え物や汁物に、中心部は煮物や炒め物に、根元は繊維が多いので、煮物や炊き込みご飯にするとおいしく召し上がることができます。

 

≪保存方法≫

ゆでたあともアクは出るので、水につけて保存します。保存中はこまめに水をかえてあげましょう。冷蔵庫で保管し、4~5日で食べきりましょう。

≪おいしいタケノコの選び方≫

色が濃く、ツヤが良いものが良品です。収穫してから時間がたち、光にあたると緑色に変化していきます。緑色に変色したものは身がかたく、えぐみが出てきていることが多いです。通常、タケノコは土を押し上げた段階で収穫するので、先端の色をチェックするのがよいでしょう。また、切り口がみずみずしいものが新鮮な証です。同じ大きさなら重いほうがみずみずしく、皮についている土が乾燥していないというのも新鮮なものを選ぶポイントです。

 

春に旬を迎える野菜は、色鮮やかで春の訪れを感じさせてくれます。ビタミンも豊富で、今回紹介したタケノコや山菜など土から芽吹く野菜には、冬眠状態だった体内の老廃物を排出し、細胞を活性化させる働きがあります。季節の野菜は人間の体内リズムと密接につながっているため、旬の野菜をおいしく食べて、身体の中から健康になりましょう。

今回の担当は、管理栄養士の山口でした。

(参考文献:「知っておきたい 野菜の基本」角 謙二 枻出版社)